
令和2年度 日本語教育能力検定試験の試験問題における
試験Ⅲ 問題2
の解説をしていきます。
お手元に、以下をご用意の上で読んでいただければ幸いです。
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前の問題はこちら
問1 超分節的特徴
解説 超分節的特徴
「超分節的特徴」とは、子音や母音などの分節音に対して、個々の分節音を超えた音連続に対して関係する特徴のことです。
語に付属して決まるアクセントや、文に付随して決まるイントネーションなどが例として挙げられます。
その答えになる理由
● ポーズが例に挙げられていること
● 「一つ一つの単音を見ているだけでは捉えられない」
から、超分節的特徴のことを述べていることがわかります。
1が正解です。
問2 無声区間
その答えになる理由
日本語の共通語において、調音法は以下の6つです。
● 破裂音
● 摩擦音
● 破擦音
● 鼻音
● 弾き音
● 接近音
このうち無音区間がある(=溜めがある)のは以下の3つです。
● 破裂音
● 破擦音
● 弾き音
選択肢の子音が含まれる音を見ていきましょう。
1 み(鼻音)
2 か(破裂音)
3 に(鼻音)+わ(接近音)
4 ぬ(鼻音)+ま(鼻音)
となり、2が正解です。
問3 ポーズ
その答えになる理由
「友達の」の後にポーズを置くことで、「【東京にいる友達】のお姉さんが遊びに来た」ことがわかります。
1は間違いです。
「警官は」の後にポーズを置くことで、「警官は【必死に逃げる犯人】を追いかけた」ことがわかります。
2が正解です。
建築士がしたことは家を建てたことであるのを示すのであれば、「建築士は」の後にポーズが必要です。
3は間違いです。
食べたのが「この前」であるのを示すのであれば、「この前」の後にポーズが必要です。
4は間違いです。
問4 プロソディー
解説 プロソディー
「プロソディー」とは、超分節的特徴を持つ要素のことです。
ポーズの他
● アクセント
● イントネーション
● トーン
● リズム
● 声質
などが該当します。
その答えになる理由
ピッチパターンとは「周波数」のことです。
日本語の共通語では「大学の/友達と行く」を声に出したときのように、一かたまりのフレーズでピッチパタンが「へ」の字型になるので、1は間違っていません。
「火がつく」の場合のアクセントは「高低」。
「日が暮れる」の場合のアクセントは「低高」。
語の意味の区別にアクセントが影響しているため、2は間違っていません。
「弟は」などの句で「お と うと」とピッチ(高さ)が上がりますが、特別大きく上昇するわけではありません。
内容が間違っており、3が正解です。
発話末を上昇させることで疑問を表すことができるので、4は間違っていません。
問5 ポーズの入れ方
その答えになる理由
ポーズは適切なところに入れるように指導します。
1は間違いです。
ピッチは、ポーズに関係なくアクセントやイントネーションによって変化します。
2は間違いです。
助詞の前でいちいちポーズを入れていたら、ぶつ切りになり、分かりやすい発話になりません。
3は間違いです。
文と文の間であれば「短め」、段落と段落の間であれば「長め」のポーズが適切ですね。
4が正解です。