
令和3年度 日本語教育能力検定試験の試験問題における
試験Ⅰ 問題4
の解説をしていきます。
お手元に、以下をご用意の上で読んでいただければ幸いです。
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問1 トップダウン処理に焦点を当てた活動
解説 トップダウン処理
「トップダウン処理」とは、既に持っている知識などを活用し、予測しながら理解を進めていく言語処理方法のことです。
前後の文脈から語の意味を類推したり、聴解の際のバックの音から場面を想像したりすることなどが該当します。
読解(聴解)で、あらかじめタスクを与えておき、必要な情報を探し出す「スキャニング」や、全体の大意をつかむ「スキミング」によってそれに答えさせる「タスク・リーディング(リスニング)」などが、トップダウン処理の練習につながります。
解説 ボトムアップ処理
関連する用語もあわせて整理してしまいましょう。
「ボトムアップ処理」とは、文字→文法→文→文章全体のように、細かい部分から理解を進めていく言語処理方法のことです。
その答えになる理由
「トップダウン処理」では、既に持っている知識を活用して、わからない内容の意味を予測しながら理解を進めていきます。
反対に、文字・音・単語の意味などの細かい部分から理解を進めていくのが「ボトムアップ処理」です。
1 ボトムアップ処理
2 トップダウン処理
3 ボトムアップ処置
4 ボトムアップ処理
2が正解です。
問2 多読
解説 多読
「多読」とは、大量に読むことで自然と語彙や文法の知識をつけていく活動のことです。
● 簡単な内容の本から始める
● わからないところは、辞書を引かずに飛ばして読む
などの注意点があります。
その答えになる理由
1が「多読」の内容そのままですね。
これが正解です。
悩むとしたら2ですが、「自分のレベルに合うかどうかよりも」が違います。
多読では簡単な内容から始めて、自分のレベルに合ったものを選ぶことが大切です。
問3 再話
解説 再話
「再話」とは、読解・聴解授業のあとで、学習者が理解したことを自分の言葉で説明することです。
授業や活動の中で出てきた語彙や文法を使ってもらうことで、知識の定着を図ります。
その答えになる理由
4が「再話」の内容そのままですね。
これが正解です。
他の選択肢も見ていきましょう。
1 人により再生できることに違いはありますが、理解を深める意味で「再話」はグループ活動・個人活動のどちらでも有効です。
2 「再話」は必ずしも口頭である必要はありません。感想文などで行うこともあります。
3 「再話」は理解したことを定着させることが目的なので、理解自体ができていないと「再話」が成り立ちません。
問4 読解テストを作る際の留意点
その答えになる理由
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
授業で扱った文章をそのまま工夫することなく出題してしまうと、直前の記憶で解けてしまって、読解テストとしては不適切ですね。
1は間違いです。
問題同士の結びつきが強いと「この問題から先はすべて不正解…」という学習者が出てきてしまいます。
各問題が独立していた方が良いですね。
2は間違いです。
3は何も問題ありません。
これが正解です。
質問文の意味が読み取れなくては、読解の文章が理解できたのかがわからないですね。
4は間違いです。
問5 クローズテスト
解説 クローズテスト
「クローズテスト」とは、文章の中に空欄があり、そこに語を埋めていく問題のことです。
その答えになる理由
4が「クローズテスト」の内容そのままですね。
これが正解です。