「格助詞(ガ格・ニ格…)」の基礎知識【日本語教育能力検定試験 過去問を解くための準備運動】

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「日本語」を基礎から、もう1度

日本語を基礎から学ぶ方・学び直す方向けの講座です。

「こう教えてもらっていればわかったのに…」
を実現してくことを目的としています。

本講座では、主に

言語学全般

日本語文法

について取り扱っていきます。

日本語教育能力検定試験の学習のため

以外にも、

日本語教師としてレベルアップしていきたい

現場知識だけでなく、きちんと土台も固めておきたい

という方は、ぜひご一読ください。

こんなお悩みはありませんか?

「●格の用法」って学校の授業で習ったっけ…?

説明を読めばわかるものの、問題になるとよくわからない…

今回の記事では…

「格助詞」の問題を解くために必要な知識を一通り確認すること

を目標に解説していきます。

なぜ、格助詞の問題を難しく感じるのか?

日本語教育能力検定試験を受験を検討する上で、「国語なんて大嫌い!」という方はおそらくほとんどいないのではないでしょうか?

「格助詞」自体は、小学校・中学校の国語の授業で習っています。

そんな中、国語に対するスペックの高い方でも「格助詞」の問題が難しいと感じる理由は何か…?

それは、
 「助詞とは何か?」
 「助詞にはどんな種類のものがあるか?」
までは教えていても、そこから先へは踏み込んでいない場合がほとんどだからです。

1 これ私の本です。

2 私も手伝います

A 格助詞
B 接続助詞
C 終助詞

「下線部の助詞の種類は…?」と聞かれたら、問題なく答えられると思います。

1 A 格助詞
2 C 終助詞
ですね。

学校教育での文法の授業は、品詞分類から始まり……
大抵、時間が足りなくて品詞分類で終わります。

この「習ってきた文法知識と問題レベルとのギャップ」が格助詞(ガ格・ニ格…)の問題を難しく感じさせている原因です。

それでは、日本語教育能力検定試験ではどれくらいのレベル感で出題されるのかを見ていきましょう。

日本語教育能力検定試験において、「格助詞」はどのように出題されるか?

日本語教育能力検定試験において、「格助詞」の問題は主に
 試験
で出題されます。

以下が、出題イメージです。

【デ格の意味】

1 インフルエンザ休む。
2 学校まで車送る。
3 丁寧な言葉書く。
4 直接法教える。
5 タクシー向かう。

上記の例題は、
 令和元年度試験 試験Ⅰ 問題1 (7)
の例文を書き換えたものです。

試験Ⅰ 問題1 は【 】内に示した観点から見て他と性質が異なるものを選ぶ問題なので、「デ格の意味の中で仲間外れはどれか?」を考えてみましょう。

上記の例題は、「言い換え」で解くことができます。

【デ格の意味】

1 インフルエンザが理由で休む。
2 学校まで車を使って送る。
3 丁寧な言葉を使って書く。
4 直接法を使って教える。
5 タクシーを使って向かう。

ここでやってはいけないのは、「言い換えだけで解く」ことです。
「言い換えを使って解く」のは良いのですが、「言い換えだけで『答えは●だ!』」という解法だけに頼っていると解けない問題も多々あります。

過去問演習で大切なのは、

同じような問題が出てきたときにも解ける「再現性」を身につけること

です。

詳細は後述していきますが、そのために

それぞれの格助詞における「用法」を理解すること

を意識していきましょう。

「●格」とは何か?

格助詞の問題は、
 「●格の意味」
のように出題されることがあります。

この「格」とは、

名詞と述語の間に成り立つ意味関係を表す文法的手段

のことです。

……なんだか小難しいですよね。
例文で見てみましょう。

図書館で本を読む。

この文の述語は「読む」ですね。

名詞が「図書館」と「本」の2つあるので、それぞれ見ていきましょう。

図書館で本を読む

まずは、「図書館」からです。

「図書館」についている格助詞は「で」なので、これを「デ格」と言います。

「図書館」は、述語「読む」という動作をどこで行うかを文法的に表していますね。
この場合の「デ格」の用法は【場所】です。

図書館で本を読む

次に、「本」です。

「本」についている格助詞は「を」なので、これを「ヲ格」と言います。

「本」は、何を「読む」かを文法的に表していますね。
この場合の「ヲ格」の用法は【対象】です。

「意味関係」「文法的手段」のように用語が並ぶと、「うっ…!!」と感じるかもしれません。

ここで、ゴール設定を間違えないようにしましょう。

皆さんの最終ゴールは、

△ 目の前の問題を解けるようにすること

ではなく、

○ 覚えた知識を使って、学習者に適切な指導をすること

だと思います。

そのためには、

体系立てて整理した知識

を意識してみましょう。

この「体系立てた知識」のためには、【用法】の理解が不可欠です。

「ガ格」「ニ格」のような「格助詞」の問題は、

例文から、どの【用法】かを判別する

ことが求められています。

そのために、

それぞれの格助詞が、どのような【用法】を持っているか?

をしっかり整理することが必要だと言えます。

格助詞は

が・を・に・へ・と・から・より・で・まで

の9つです。

それぞれの【用法】について、別記事で解説していきます。

格助詞「が」(ガ格)の用法

格助詞「を」(ヲ格)の用法

格助詞「に」(ニ格)の用法

格助詞「へ」「まで」(へ格・マデ格)の用法

格助詞「で」(デ格)の用法

格助詞「から」(カラ格)の用法

格助詞「より」(ヨリ格)の用法

格助詞「と」(ト格)の用法

例題にチャレンジ!

冒頭の例題を【用法】の知識で解いてみましょう。
【 】内の観点から見たときの仲間外れを探す問題です。

【デ格の意味】

1 インフルエンザ休む。
2 学校まで車送る。
3 丁寧な言葉書く。
4 直接法教える。
5 タクシー向かう。

何も情報がない状態だと判別が難しいかもしれませんが、「次の①~⑧の中から選びなさい」だと少し難易度が下がるのではないでしょうか?

① 場所
図書館勉強する。

② 手段
色鉛筆塗る。

③ 起因・根拠
服が濡れた。

④ 主体
全員そのプロジェクトに取り組んだ。

⑤ 限界
あと3人締め切ります。

⑥ 領域
ここがこの町1番高い場所です。

⑦ 目的
京都には観光来ました。

⑧ 様態
すっぴん友達に会う。

1 インフルエンザ休む。
→ ③ 起因・根拠

2 学校まで車送る。
→ ② 手段

3 丁寧な言葉書く。
→ ② 手段

4 直接法教える。
→ ② 手段

5 タクシー向かう。
→ ② 手段

冒頭にて、「言い換えだけで解くのはNG」というご案内をしました。
日本語教育能力検定試験では、言い換えだけでは解けず、【用法】の判別が必要になるものも出題されるからです。

【用法】を判別するための手段として「言い換え」を使うことはあります。
上記であれば、「1だけ『が理由で・が原因で」に言い換えられるので【起因・根拠】の用法!」といったイメージです。

格助詞ごとの【用法】を整理し、各例文がどの【用法】に当たるかを判別する

ことを意識して問題に臨むようにしていきましょう。

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